良いリビングをつくるためのポイント3選

ほとんどの方が、寝ている時間を除いて、家の中で1番長く過ごしている場所は「リビング」なのではないでしょうか。
2016年のリクルート住まいカンパニーの調査では、夫婦の家の中で過ごす8割前後の時間をリビングで過ごしているという結果が出ており、2014年の東京ガス都市生活研究所の調査では、小学生約9割、中学生約8割、高校生約6割が夕食後、リビングで過ごしているという結果が出ています。

出展:リクルート住まいカンパニー「マンション購入家族の暮らし方調査」(2016年11月)

出展:東京ガス都市生活研究所「家で子供が過ごす部屋~子供の過ごし方と親子それぞれの意識~」(2014年3月)

そして、住宅購入の際に妥協したくない項目の第一位はリビングの広さと回答されています。
しかし、普通に会話をする最大距離は3.6M以内が最適だと言われており、8帖のリビングの1辺の長さがちょうど約3.6Mです。広すぎても家族のコミュニケーションは取り辛くなるという事もあり、漠然と広いリビングにしても良いリビングにはなるとは限らないのです。

リビング

そもそも、リビングでの過ごし方は、100人いれば100通りあります。
ソファに座る方、寝転がる方、座面を背もたれに使う方。床に寝っ転がる方、コタツに潜り込む方。
録りためたドラマを見る方、家族でボードゲームをする方、スマホを片手にスポーツ観戦する方。
このように過ごし方はそれぞれ異なるはずですが、「広いリビング」という面積だけで決めてしまって良いのでしょうか。

ご自身のリビングでの過ごし方

良いリビングをつくるための3つのポイントに入る前に、1度ご自身のリビングでの過ごし方を振り返ってみましょう。

足を伸ばしてコーヒーを飲む。
ソファに寝転がって昼寝する。
仕事をする。
ソファに座って電子書籍を読む。

1人掛けソファに座って読書をする。

宿題をさせる。
ボディーメイクをする。
夫婦でゲームを楽しむ。
床に寝転がって部屋を暗くしてサブスクを楽しむ。
趣味を楽しむ。

良いリビングをつくるためのポイント3選

次に、ご自身の過ごし方を3つのポイントに当てはめます。

➀明るさ感

人は明るい場所に集まる習性があります。
そのため、家族が集まるリビングをつくろうとした時に「明るさ感」は重要です。
しかし、過ごし方によっては明る過ぎると、テレビを見る時に反射して眩しくなったり、眩しくてお昼寝出来なかったりします。反対に、暗過ぎると宿題や仕事が出来なかったり、そもそも家族があまり集まらないリビングになってしまいます。
窓の大きさや窓を配置する方角、照明の数や照度など、それぞれの過ごし方によってご家族が1番長く過ごすリビングを快適な明るさ感にしましょう。

②広がり感・開放感

明るいリビングになり、家族が集まるリビングになった時に、窮屈に感じてしまっては居心地の悪いリビングになってしまいますので、単純に面積という事ではなく、「広がり感・開放感」のあるリビングにすることが重要です。
広がり感・開放感は、縦(吹抜)or横(LDK)or窓(外部空間)の3種類に分類されます。
上下の開放感や2階にいるお子様の気配が感じられる縦のつながり。
キッチンにいる奥様とダイニングで仕事をするご主人様とリビングでゲームをしているお子様をつなぐ横のつながり。
大きな窓を設けて、外部の自然を取り入れたり、家事をしながらお子様が外で遊んでいる様子を見ることが出来る窓のつながり。
ご自身の心地よい感覚やご家族のコミュニケーションの取り方によって、ご家族が集まるリビングに快適な広がり感・開放感を取り入れましょう。

③落ち着き感orふれあい感

最後は、ご家族の考え方によって「落ち着き感」「ふれあい感」のどちらかを選択します。
リビング兼廊下のように動線が交差しないリビングか交差するリビングかという事です。

■落ち着き感

ダイニングキッチンと繋がってはいますが、「玄関からキッチン」「ダイニングから2階」「キッチンから洗面」など、日々の動線からリビングを外した間取りにすると落ち着き感のあるリビングになります。
また、動線以外にも床の素材をカーペット敷にすることで吸音させたり、リビングの床に段差をつけて一段下げることで籠り感をつくったり、インテリアをダークトーンにするなど、落ち着き感を演出する方法もあります。

■ふれあい感

日々の動線が必ずリビングを通るように動線を交差させる間取りは、ご家族のコミュニケーションを大切にしたいという方に最適です。
反対に、お子様の年齢によって、必ずリビングを通らないとキッチンや洗面、2階に行けないため、テレビを見ながらくつろいでいる前をご家族が通ることになり、少し落ち着き感に欠ける可能性があります。
ご自身のリビングでの過ごし方によって、家族との関係性を考え、落ち着き感を取り入れるのか、ふれあい感を取り入れるのか選択しましょう。

まとめ

家の中で寝ている時間を除いて、一番長く過ごすリビングですが、ご自身のリビングでの過ごし方をしっかり考えずに、面積だけで決めて、家が完成するタイミングに合わせてそのリビングに入るソファを購入するという、賃貸に住むのとなんら変わりのない「ハコ」にご自身の暮らしを合わせてしまっている方は少なくありません。
ご自身がこれまで懸命に働いて貯められた貯金と、これから働いて支払われる住宅ローンという大切な資金です。
ご家族が1番長く過ごすリビングは、ご自身の過ごし方に合った「明るさ感」「広がり感・開放感」「落ち着き感orふれあい感」の3つのポイントを上手く取り入れ計画しましょう。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香

新着記事

RC外断熱住宅は3世代が快適に住み継げる家

これからの住いは、従来のようなスクラップandビルドを繰り返すことなく、親から子へ、子から孫へと、少なくとも、3世代に亘って、住み継ぐことを考える時代です。敢えてSDGsと声高に、叫ばなくても、地球環境に優しい上に、財布 […]

注文住宅なら、設計と施工を分離した方が良い住宅を創れる

どの様な住まいで暮らすのかという、住居を選択するときに、最近では、その選択肢が増えてご自身の条件に、あった暮らしを描くことができるようになってきました。 住居には、大きく分けて「集合住宅」と「戸建住宅」があり、戸建住宅で […]

注文住宅の暮らしを楽しむ木造高性能住宅

住宅は、住まうこと自体を楽しみ、人生を楽しむ暮らしの実現の場、そのものであるべきです。 人生の7割の時間を過ごす住宅こそ、ご自身の現在と未来の暮らしを楽しむために創るというのが、住まいづくりの本質だと思います。本来注文住 […]

注文住宅を大阪 京都 神戸で建てるならRC外断熱住宅も検討したい

注文住宅という住まいづくりのジャンルが、住まいの選択肢の多様化の中で、改めて大阪・京都・神戸というエリアで、本来もっと、注目されるべき存在になるべきだと思います。 このように申し上げると、「それは逆じゃないの」という方も […]

注文住宅づくりは、令和の暮らしへの革新が必要

先ず、これから住まいづくりを始めようとされる方への注意喚起です。一般的な4LDKプランは、1952年に、その始祖鳥的存在の、2DKプランの公団住宅が生まれてから、既に72年になろうとしています。当時は、夫のみが働き、妻は […]

注文住宅なら、暮らしをもっと楽しめる

生涯住まう家を考えるとき、住宅性能を最上級クラスにし、しかもその性能が長期間維持出来て、収納も充実させ、仕上材も、納得の行くものを選ぶと、延床面積35坪くらいの住宅でも、住める状態の装備を付加したら、木造住宅であっても、 […]