資金計画内で「プライスレス住宅」を計画しましょう
2022/05/04

「プライスレス」とは「お金に代えがたい価値」のことを意味します。
個々のお客様にとってせっかく何千万円もする住宅を建てるなら、ご家族にも、またご自身にとってもかけがえのない心豊かな暮らしが手に入る住まいづくりを進めたいところです。
「プライスレス」とは言っても限りある建築資金の中で「ここだけは」という最重視する「暮らしの重心」を見つけ出して進めましょう。
「プライスレス住宅」の事例

岩手県の内陸部は真冬には気温も低く、積雪もあるエリアですが人口は少なく自然あふれるエリアです。
せっかくの自然を満喫するのは晩春から初秋の季節だけ。
これがもったいないと真冬でもが外部空間と室内空間が一体になって楽しめる暮らしがしたいというお客様。
そこでどこまでできるかのチャレンジ。
先ず、建築資金は何処まで用意できるのか。
自己資金と親からの援助、金融機関との交渉でMax資金計画を算出してもらいその中でどこまでのチャレンジができるのか。
人生100年時代に今後60年間暮らす住まいです。
現状は半年しか楽しめない外部空間を年中楽しむことができるならその投資は人生をより彩り豊かなものにします。
断熱性能をG3(最高性能)+αまで引き上げて建物の幅いっぱいまでの床から天井までの全面ガラス(超断熱サッシ)で真冬でも視覚的には外部空間と室内空間は一体で子供たちは外で雪遊び、ご夫婦は素足で子どもたちを眺めて楽しそうです。
大きな開口で積雪荷重が掛かっても耐震性が保てる構造にしています。
ここへの投資は決して安くはないのですが得られる心の豊かさはお金に換えることはできません。
まさに「プライスレス」です。
「暮らしを楽しみ人生を楽しむ住まいの実現」です。
心豊かな暮らしへの投資は3段階で配分

先ずは「プライスレス」レベルの「新しい住いでこれだけは実現したいコト」。
投資対効果が最大になることを最優先しましょう。
次に「家族が、自身が実現したいコト」を上げて優先順位をつけて行きましょう。
そして「安全/安心/快適」と「生活利便性」についての3段階です。
Max資金計画の建築資金配分をこの3段階で進めましょう。
もちろん先ほどの「プライスレス」の事例のように「実現したい魅力的なコト」を支える技術面の「安全/安心/快適」が必須というように複層している場合もあります。
ローコスト住宅~中高級住宅は「モノ中心の考え方」



「中高級住宅」と「プライスレス住宅」は何が違うのでしょうか。
また、ローコスト住宅と中高級住宅は何が違うのでしょうか。
先ほどの「心豊かな暮らしへの投資の3段階」を逆から見て行きましょう。
「生活利便性」についてローコスト住宅より中高級住宅の方が投入資金の差で一般によく考えられています。
「安全/安心/快適」は公的な基準に照らすと案外似たようなところに落ち着く場合が多くあります。
ローコスト住宅は一般にコンパクトなので耐震性などは有利に働き。
そういう意味では一見「中高級住宅」の優位さは無いように思えます。
初期性能の差はなくても長期に亘って性能が維持できるのかと言われると差がみられる場合もあります。
「ローコスト住宅」も「中高級住宅」も2段階目の「家族が、自身が実現したいコト」には対応できておらず、「そもそもそういう発想がない」ため両者とも実現力は低いと言わざるを得ません。
まして「プライスレスの対応」は全くできていないというのが現状です。
つまり現状の「ローコスト住宅~中高級住宅」は「モノ中心の考え方」にほぼとどまっています。
従って生涯に亘っての心豊かな住まいづくりという視点は弱いということと言わざるを得ません。
「プライスレス住宅づくり」の視点

中々ご自身で何がこれからの自身の暮らしの重心になるのだろうかと自問自答しても答えがでないと思います。
ご家族で話し合われても進展が見られない場合が多い様に思います。
暮らしというのは空気のような存在であって改めて「どのような空気が良いのか」と問われても「高原のようなさわやかな空気」のような概念的なイメージしか表現のしようがありません。
自覚症状のない病のようなものです。
「何となくこのままでは良くない、今一だなあと思っても具体的にどこが」という病気の原因にたどり着きません。
病気なら医者に相談する様に暮らしのコトは「暮らし視点の住いづくり」の専門家へ相談しましょう


「医者をいろいろ回ったが結局ストレスでしょう」とかもう一つ原因がつかめないで悶々とするということがありますが、本人も「しんどい」とは言えても「どこがどう悪い」と言えないし、だから病院に来たのだと言いたくなるのはよくわかります。
同じように「色々住宅会社/工務店を回ったがどこのプランもピンとこない」と悶々とされているということは良くある話です。
住宅会社/工務店はモノづくりの専門家で暮らしの専門家ではない


「専門科の名医も原因が特定」されて他の医者から紹介された患者なら適切に対応可能です。
「建築分野の中でも住宅建築専門の住宅会社/工務店もプランが決まっているならお任せください」ということになりますがそもそもプラン作成の根拠となると「こういう暮らしがしたい」という「原因」を見つけ出すことは難しいと思います。
従って「患者の言う通りの治療をします。何でもできます。フリープランですから」というおかしな対応方針にならざるを得ないのだと思います。
「暮らしインタビュー」は暮らしの専門家が対応する「プライスレスの住まいづくり」の入り口です

「お客様の現状の暮らし、対話からお客様の考え方、価値観を理解し暮らしの重心を共有化」するところから住まいづくりを始める専門家が行う暮らしインタビュー設計は3段階のプライスレスの住まいづくりをナビゲートします。
各住宅会社/工務店のホームページをご覧になられてもそういう会社を見つけられない場合は、全国どこからでもご相談をお受けする窓口を設けています。
お気軽にご相談されてはいかがでしょうか。info@housing-labo.casa
まとめ
「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」という「モノからコトへ」の時代です。
お客様ご自身が「実現したいコト」に気づくことが基点になりMax資金計画内で「プライスレス」の価値のある暮らしを実現していただければと思います。
先ず暮らし視点の住いづくりの専門家にご相談ください。
《執筆者》
一般社団法人 住宅研究所
代表 松尾俊朗
一級建築士