家づくりで絶対失敗しない収納計画
2022/04/25

家づくりにおいて収納計画は重要なポイントの1つです。
しかし、家づくりで後悔したランキング2位が収納で39%もの方が後悔したという結果が出ています。
※SUUMO「先輩161人に学ぶ!間取りの失敗ランキング」参照
では、どうすれば後悔しない収納計画が出来るのでしょうか。
収納計画のポイント

インターネットやSNSで検索すると、驚くほど収納に対するポイントやコツの情報が出てきます。
物を捨てるときは「ときめくかどうか」、物を分類する時は「グループ分け」、収納グッズは「シンデレラフィット」など様々なワードが飛び交っています。
これだけ情報が溢れているのにも関わらず、なぜ上手く収納出来ないのでしょうか。
自分に合った収納

収納計画は、「絶対量」と「適材適所」と「動線に絡む」の3つに分けて計画することがポイントです。
※参照記事「暮らしやすい間取りにするために取り入れるべきポイント https://housing-labo.casa/category/plan-design/post-446/」
しかし、これはあくまでもポイントにしか過ぎません。
このポイントをご自身所有の物に合わせた収納計画をしていかなければいけません。
設計士さんに家の中を見てもらう

家づくりの際には、収納の得意不得意レベルを含めた「どんな物がどのくらいの量」有るのかを必ず設計士さんに確認してもらいましょう。
自宅を見られるのはとても恥ずかしい気がしますが、家の中身を見ずに設計するというのは、聴診器も当てずに薬を処方したり手術をするのと同じことです。
また、片付けが苦手な方は、絶対量の収納量では足りず、絶対量の1.5倍程度余裕を見た収納計画にする必要があります。
新しい住まいで同じように片付かない家にならないよう、現在の住まいを見てもらう際には、片付けはせず、ありのままの様子を見てもらいましょう。
また、見てもらってもいないのにプランを提案された場合は、そこに疑問を抱きましょう。
ご家族全員の動線に合わせた収納計画




家族が多くなれば多くなるほど1人1人の動線が絡み合うため、物が散らかるのは当然です。
お子様のおもちゃなどが散らかるという事ももちろんありますが、物が散らかる大きな要因は外出時と帰宅時にありますが、これは、家づくりの際に極力解決する事が可能です。
慌ただしい朝の時間に、着替えや準備中に出た物が持っていくべき場所に持っていくことが出来なかったり、学校や仕事、買い物や旅行などからクタクタになって帰って来たら、鞄やコートなど本来戻すべき場所に持っていくことが億劫になってしまい、リビングにドンッと置いたままになってしまいます。
その原因は、わざわざ片付けにいかなくてはいけない場所に収納があるからです。
リビングでくつろぐまでの動線の中に適材適所に収納があれば、この問題は解決します。
そのため、必ず家族全員の1日の生活スケジュールを設計士さんに確認してもらいましょう。
そして、それぞれの動線に合わせた適材適所の収納計画をしてもらいましょう。
収納のための家づくり



住まいづくりをする際に、「新しいお住まいでどんなコトがしたいですか?」と尋ねた時のアンサーで最も多いベスト3に必ず「収納」がランクインします。
確かに、現在のお困りであることは分かります。
しかし、ブレてしまってはいけないのは、収納のための家づくりではありません。
超大物有名人の自宅が、テレビのお宅拝見やYouTubeでのルームツアーなどの公開で、とんでもないサイズのウォークインクローゼットやシューズクローゼットである事を目にします。
超大物有名人のように資金に余裕があって、収納以外の家族が過ごすLDKなどもしっかり確保出来ているのであれば問題ありませんが、通常限られた予算の中での住まいづくりの方がほとんどだと思います。
「収納」「収納」「収納」と、収納をたくさん取り過ぎて、家族が幸せに暮らすための空間の面積が不足することがないよう、前半に出てきた本当に必要な物なのかどうかを「ときめき」で判断して物を処分するという方法を使って、本来の「家族が幸せに暮らすための住まいづくり」という目的を見失わないよう気をつけましょう。
※参照記事「失敗しない家づくりは、〇〇坪〇LDKでつくらないことhttps://housing-labo.casa/category/plan-design/post-352/」
まとめ
どれだけインターネットやSNSで収納計画のポイントやコツを調べても、そもそもの家いう器が合っていなければご自身にフィットした収納のある住まいにはなりません。
住まいづくりをする際には、必ず現在の住まいの収納物や量を設計士さんに確認してもらい、収納の得意不得意をふまえたお客様にしか合わない収納計画を考えてくれるパートナーを探しましょう。
また、収納のための家づくりとなって、本来の住まいづくりの目的である「家族の幸せな暮らし」を見失わないようにしましょう。
もちろん当研究所は、あなたにしか合わない「家族の幸せな暮らし」を前提とした「暮らしやすい住まいづくりのための収納計画と動線計画」のサポートを行いますので、ご希望の方は是非ご相談ください。
《執筆者》
一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香