建築費はどうなる?

だからこそ「諦めない設計」が住まいづくりを変える

住宅価格が高くなった。

ここ数年、住まいづくりを検討されている多くの方が実感されていることではないでしょうか。

コロナ禍以降、世界中で建築資材の需要が急激に高まり、木材や鉄、設備機器などあらゆる建材価格が上昇しました。
さらに現在は、人件費の上昇や円安に加え、中東情勢の緊迫化による原油価格・物流コストの上昇リスクも抱えています。
特にホルムズ海峡は世界の原油輸送の要所であり、万が一物流が滞れば住宅設備や建築資材の価格にも影響が及ぶ可能性があります。

もちろん今後の情勢を断言することはできません。
しかし現在の状況を見る限り、「数年前の価格に戻る」ことを期待するのは現実的とは言えないでしょう。

だからこそ大切なのは、
価格が下がるのを待つことではなく、今の予算でどう理想の暮らしを実現するか。
そこに設計者の力が問われます。

実際にあった住まいづくりの事例

以前ご相談いただいたA様ご夫婦。

共働きでお子様二人の4人家族です。
理想の暮らしを丁寧にヒアリングし、実際に暮らしているお客様宅も見学しながら、「どんな毎日を送りたいのか」を一緒に整理していきました。

当初は約48坪の住まいを想定し、
「高性能住宅として十分な仕様でも4,000万円台半ばくらい」
という想定でした。

ところが実際に見積りを取ると約5,950万円。
当初想定を大きく超える金額でした。

「仕様を落とす」は本当に正解なのか

このような時、多くの場合、

  • キッチンを安いものへ変更
  • 外壁をグレードダウン
  • 断熱性能を下げる
  • 耐震性能を見直す

といった仕様変更が検討されます。

もちろん過剰な仕様は見直すべきです。
しかし、生涯住み続ける住まいの性能や快適性を犠牲にしてまで価格を合わせることは、本当に良い選択なのでしょうか。

性能は後から簡単に変えられません。
住み始めてから何十年も影響する部分だからこそ、簡単には削るべきではありません。

発想を変える

私たちが選んだ方法は、
設計コンセプトを変えずにダウンサイジングすること。
でした。

もう一度、
「A様ご家族が本当に実現したかった暮らし」
を整理し直しました。

すると、
広さそのものではなく、

  • 家族が自然と集まること
  • 明るく開放的であること
  • 家事が楽になること
  • 趣味を楽しめること

これらが本当に大切な価値であることが見えてきました。

そこで約48坪だった住まいを約40坪へ。
単純に小さくするのではなく、
暮らし方を変えずに面積だけを最適化していきました。

結果として、
主要な暮らしの価値はほとんど失うことなく、大幅なコスト調整を実現できました。

小さい家=狭い家ではない

家は広ければ快適とは限りません。
・視線の抜け
・天井高さ
・窓の配置
・庭とのつながり
・動線計画
・収納計画

こうした設計次第で、40坪でも50坪以上の開放感を感じられる住まいは十分につくれます。

むしろ、
・掃除が楽
・冷暖房効率が良い
・家事動線が短い
・家族との距離感が心地よい

といったメリットが増えることも少なくありません。

落としてはいけないもの

建築費が高い時代だからこそ、
私たちが最後まで守りたいと考えるものがあります。

それは、
・耐震性能
・断熱・気密性能
・建物の耐久性
です。

これらは何十年にもわたり暮らしの質を左右します。
価格だけを合わせるために削ってしまうと、後から取り返すことは簡単ではありません。

だからこそ、
削るべきは性能ではなく、
「本当に必要な広さなのか」という視点なのです。

これからの住まいづくり

住宅価格は今後も世界情勢や為替、エネルギー価格などの影響を受け続けるでしょう。

価格がいつ下がるかを待つことよりも、
限られた予算の中で、
どれだけ暮らしの価値を最大化できるか。
その発想がこれからの住まいづくりには欠かせません。

私たちCasa Laboでは、
「まず間取りを考える」のではなく、
「どんな人生を送りたいか」から設計を始めます。

だからこそ、
面積を抑えても、
暮らしの豊かさは諦めません。

まとめ

建築費の上昇は、一住宅会社ではどうにもできない世界的な要因が大きく影響しています。
しかし、その中でもできることがあります。

それは、
「広さを減らすこと」ではなく、「無駄を減らし、暮らしの価値を守ること」。

今求められているのは、価格を理由に理想を諦めることではありません。

限られた予算の中でも、家族にとって本当に大切な暮らしを実現するために、「諦めない設計」ができるパートナーと住まいづくりを進めることです。

住宅は建てて終わりではなく、その先何十年も家族の人生を支える場所です。
だからこそ私たちは、価格だけではなく、「暮らしの価値」を守る設計を大切にしています。

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