Kurashinnovation.

~Quality of Time~

戦後日本の住宅プランの原点となった、2DKが世に出て70年以上の年月が経ちましたが、現状の日本の住宅プランは、未だにその延長線上にあると言っても、過言ではありません。
2LDK、3LDKと部屋数は増えて5LDK、6LDKとなっても、プランづくりの考え方のベースは、70年以上も前のままです。
21世紀に入ってからは、特に大きく社会は変わり、多様な価値観、家族観、暮らし方のスタイルが、生まれていますが、住宅の造り手も、住い手も、過去の延長線上の暮らし方に基づくプランや空間構成に、あまり疑問を持たず、「プランに合わせて暮らしている」ように見えます。
当たり前としていたこれまでの住宅プランを、従前の家づくりの慣習に縛られることなく、住まわれる方の暮らし方や価値観に、本当にフィットした住宅プランへと革新する必要があります。
ハウジングラボでは、人生の7割以上の時間を過ごす住宅内で、一人一人が過ごす「時間の質」(Quality of Time)の高い暮らしが営めることを目指しています。
そのために、これから先の未来における暮らしのシーンを考えて、個々のお客様が暮らすこと自体を、心豊かに楽しめるよう、お客様の暮らしと価値観と向き合い、最適な住宅のプラン空間を創る住まいづくり、Kurashinnovation.(暮らしの革新)で、住宅内で過ごす時間の質(Quality of Time)を高め、それぞれのお客様にとって、最適で快適な住まいづくりを追究します。

暮らしには「-」領域と「+」領域の暮らしがあります。

「-」領域とは、家事労働時間です。
もちろん家事労働が必ずしも「やりたくない家事」ばかりではありません。
既に共働き夫婦が当たり前化し、しかも女性はフルタイムで働く方が、増加しています。
そうすると夕食の支度はご夫婦が帰宅後、一緒に本日夫々の職場であったことを、おしゃべりしながら食事の用意をするということは、家事労働ではなく夫婦の「楽しい時間」かもしれません。
「楽しく作る食事」と「作らなければならない食事」では、同じ食事の準備の場面であっても、性格が一変します。
そうした様々なシーンが、ご家族ごと、シチュエーションごとに、複数在るはずです。
急いで「作らなければならない食事」の時には、超合理的な「ゼロ動線キッチン」が威力を発揮し「時短」を実現します。
つまり、動線ゼロとは、その場から1歩も動かずに、冷蔵庫から野菜を出して、シンクで洗い、鍋を出して野菜スープを作り、食器を並べて盛り付けてと「軸足をピポット」にして回転する動きだけで、無駄な動きを一切省き、合理的に素早く進めるキッチンを意味します。
同じゼロ動線キッチンでも夫婦2人でおしゃべりしながら作る場合は、向かい合って料理ができる工夫を凝らします。
暮らし方の詳細を共有化し、「-」領域の家事労働は、「ゼロ動線」などの工夫により、家事のイノベーションで極力、家事の負担を抑え込みます。
夫婦が楽しく食事を作るシーンのような暮らしの「+」領域では、より楽しい時間となるように様々な工夫を加えます。
ワイン好きならワインを飲みながら、食事の用意ができるように、カジュアル系のワイングラスがすぐに取り出せるような、収納の工夫、また、お互いの笑顔が明るく見えるように照明の色温度も調整できるようにします。

ハウジングラボでは、このような、暮らしの各シーンでの「+」領域と「-」領域で最適解を見いだすには、従来のような「LDK」発想では難しく、常に暮らしを革新する、Kurashinnovation.Quality of Timeを創る視点と発想が必要だと考えています。「暮らし」×「イノベーション」は、突飛な発想ではなく「必然の発想」で考えますので、「ゼロ動線キッチン」兼「夫婦のコミュニケーションキッチン」の事例のように、暮らしやすく、居心地の良い空間創りを目指します。

家族のコミュニケーションという暮らしの「+」領域の場の変化

家族の団欒というコミュニケーションの場は、楽しい暮らしの「+」領域です。
この家族のコミュニケーションの場が、TVを中心としたリビングから、会話が生まれやすい工夫をしたキッチン、若しくは、家族が勉強や仕事、様々な趣味等を持ち込んでも、何でも許容できる大きなダイニングテーブル(スーパーテーブル)へ移ってきています。
SNSやネット配信というメディアのパーソナル化と、スマートフォンを始めとする、パーソナルデバイスの普及がここまで進むと、「家族で一緒にTVを観る」という必要がなくなり、見逃し配信もあるため、好きな時間に、好きなメディアを利用してドラマや映画、スポーツなどのコンテンツを楽しむ生活様式にいつの間にか、変化してしまいました。
必然的にTVが家族の求心力ではなくなり、新たな家族の団欒のカタチが求められていますが、これに対応している住宅会社、設計事務所は稀有な存在です。
増してや、造り手というプロ側から、お客様に答えを求める場合も多く見受けられますが、どのようにしたらよいのかという検討する材料がないままでは、お客様が困惑されるのは当然のことだとだと思います。
仕方なく、「いつものLDKプラン」に陥ってしまっているのが現状です。

キッチンが家族のコミュニケーションの中心に移りつつある暮らし

例えばキッチンは、料理を作りながらの夫婦の会話だけにとどまらず、お子様が生まれ、やがて保育園や小学校に通われる年代に成長されたら、お父さんとお母さんが、仲良く夕食の支度をしていれば、自然にお子様方もキッチンに集まり、お子様たちは、保育園や小学校であった様々な出来事も、話されて家族の楽しい会話が生まれること想が想像できます。ハウジングラボでは、現状のご家族の暮らしぶりに最適なコミュケーションが生まれやすいプラン/空間構成を起点に、家族の成長という「時間軸」で、どのようなプラン/空間にしたら、自然にコミュニケーションが生まれるようになるのかを一緒に考えて行きます。もちろんその際には、様々な保守的なプラン空間から、革新的なプラン空間まで、個々の暮らしを考慮したプラン空間づくりの情報提供をさせていただき、考え方を共有し、方向感をもってまとめあげていくようにします。結果として、多くの場合、従来プランとは大きく異なるが、暮らしやすく、家族が仲良くなれる暮らしの革新、Kurashinnovation.で、家族で過ごすQuality of Time(時間の質)を上げるプラン/空間を創ることに繋げます。

家族のコミュニケーションをダイニングに置いた暮らし

東日本大震災以降、子どもたちは、ご両親を中心とした家族がいる場で過ごしたがる傾向が、全国的に定着し、お客様からLDKを「もっと大きく」という要求が強まっています。
それはそれで理にかなった要求だとは思いますが、ただ空間を大きくしただけでは、ご家族にとって楽しい空間や、落ち着く空間になるというわけでもありません。
家族が集まって何をするのか、どのような暮らし場面が、そこで展開されるのかという、「家族の暮らし」「個人の暮らし」を時間軸で未来の暮らしを考える必要があります。
お子様は、宿題も子供部屋ですることは無く、家族みんなが居る、リビングかダイニングで勉強もしたがるでしょう。
お子様が小学校低学年くらいまでは、従来サイズのダイニングテーブルでも十分対応可能ですが、中学生にもなると狭すぎます。
パソコンやタブレット、教科書、参考書なども多くなりますし、兄弟姉妹で一緒に宿題や勉強をするとか、ご両親も仕事を持ち帰って来るなどされる場合を想定すると、一般的なダイニングテーブルの2倍上のサイズが必要になってきます。
いわゆる「スーパーテーブル」が必要になって来るかもしれません。
「スーパーテーブル」は勉強や仕事だけでなく、家族でボードゲームや様々な遊びをしたり、寛ぐ場にも利用される場合など、暮らし方次第で応用範囲が大きいのも特徴です。
しかし大きいだけに、どこに設置するのかも考慮する必要があります。
さほど広くないスペースの場合は、「スーパーテーブル」の設置とは異なる手法で同様の効果を得る方法を考えることもあります。
いずれにしても、ダイニングテーブルが、食事をする場だけではなく、様々な用途に対応する場「マルチ ファンクション スペース(多機能空間)」に進化しています。

ハウジングラボでは、お子様方にとって宿題は、暮らしの「-」領域かもしれませんから、効率よくテキパキと済ますことができるように、照度と色温度が高い照明で明るさ環境を整えて、遊びや家族の楽しい会話時は、暮らしの「+」領域ですから、照明は、色温度を下げて「なごみ感」を増すなどの、そこで行われる「コト」の内容によって環境を制御するということも、考慮します。
そこで使われる様々なメディア機器の充電、TPOに応じた隠す収納、見せる収納など、細部に亘って検討します。
将来のことも考えてプラン/空間に加えて、設備機器、収納、動線、さらには家具なども個別に検討するのではなく、同時に考えるという「Architecture Design & Life Coordinate」というプラン/空間から手にするモノまでを、トータル視点で住いづくりの最初期から同時に考える、ハウジングラボ独自の手法もKurashinnovation.Quality of Timeを実現するための、重要な住まいづくりの進め方です。

リビングは家族が集まって別のことをする場

永く家族の中心の場として位置づけられてきたリビングは、一体どうなってしまったのかというと、多くの場合プラン/空間づくりの段階で、従来の暮らしを引きずっているため、慣習的に家族の団欒の場として計画してしまっています。
がしかし、現実の暮らしに置いては、各自は夫々スマートフォンとかタブレット端末を持ち、それぞれの世界と繋がっていますが、家族とのつながりは、希薄というのが実態です。
TVでプロ野球を見ている50歳の父親の横で、17才の娘さんが彼氏とLINEで楽しく「会話」していますが、お父さんは娘がそばに居るので安心しています。
この状態は旧来のリビングに対する概念で考えると既に、リビングは機能していないとなります。
しかし、一方で新たなリビングという概念が生まれつつあり、ハウジングラボでは、Kurashinnovation.で、新たな家族を結びつけるQuality of Timeを創ることもできる、新空間へ進化させようとしています。

「リビング」は「ラウンジ」要素を色濃く持って進化

ホテルのラウンジ
空港のラウンジ
【New】住宅のラウンジ

家族のコミュニケーションの場がリビングから、キッチンやダイニングへの移行期にある今日、大きなスペースを占有するリビングは、現状では中途半端な位置づけに陥ってしまっています。
旧来の慣習から、なんとなく「家の中心はリビング」という意識が抜けきらないのが原因です。
「何となくリビングに集まって来る」機能は有効ですから、先ずこの機能は活かします。
集まってきた、各人がリラックスできる空間で、思い想いに各自が過ごしている姿は、リビングではなく、ホテルでの、ちょっと一休みに利用するラウンジや、空港の出発便を待つ間に、旅行客が一時的なリラックスタイムを過ごしているラウンジでの姿によく似ています。
それぞれ各自の世界に入っているか、ボーッとしているなど、それぞれの事をしながら、リラックスしています。
しかし、そこで過ごす人たちは、繋がっていないというリラックス空間がラウンジです。
もちろん、ホテルや空港のラウンジは、他人が集まって過ごすところですから、これで良いのですが、住宅のリビングを単純にラウンジ化とするというのは少々乱暴な話です。
住宅のラウンジは家族の集まる場所として、更にその先の、家族にとって有効な空間へと進化することが必要です。
この進化も新たなKurashinnovation.でQuality of Timeを創る発想が必要になってきます。

住宅のラウンジ

ホテルや空港のラウンジは、そこに集まった方々へ、一時的なリラックスできる環境/空間を提供することが目的で、そこに集うとか、コミュニケーションを相互に取るという考え方は持っていません。
だからこそ、他人の中であっても、個人が、ある程度リラックスできたり、あるいは仕事や、本を読んだりと自分の世界へ入り込める空間を創ることを目的に計画されています。
他者とつながることを考えず、むしろ独立して個々の過ごし方にゆだねる空間です。
一方「住宅のラウンジ」を利用するほとんどの場合は、家族が対象です。
他人の中でのリラックスには限界がありますが、家族の中では、もっともっとリラックスできますから、足を投げ出したり、寝転がったり、腹ばいになったりと何でもありの、リラックスできる自由空間です。
それぞれの世界に没入もできますが、何となく家族と一緒に居る安心感もあり、少し互いに関わってもみたい空間です。
例えばYoutubeを見ていた息子が、「くすっ」と笑ってニヤニヤしている姿が目に入れば、「何を見てるの。面白そうだね」と、つい声を掛けたくなります。
こうした自然発生的家族のコミュニケーションを生み出す暮らしを創るのが「住宅のラウンジ」が持たなければならない機能であり、目的です。
例えば、一般的な3人掛けソファーは、直線ですがこれを135°曲げると、家族の各人は、スマホなどのパーソナルデバイスで各自の世界に入っているのですが、横に居る家族の表情が視界に、常に入っているという環境を生み出すことができます。
これが一つのKurashinnovation.であり、心豊かな家族の触れ合いという、とても良い「時間の質」Quality of Timeを生み出す工夫です。
リビングが住宅用のラウンジへと進化することで、家族のつながり方が、より多様になり、暮らしに心豊かなシーンをもっと生み出すことが可能になってきます。

まとめ

ハウジングラボは、「暮らしを研究する」という意味の「Housing Laboratory=住宅研究所」を略して、「Housing Labo」と名付けて設立しました。
「暮らし」×「イノベーション」で、住宅内で過ごす、暮らし「時間の質(Quality of Time)」を高めるために、既成概念にとらわれることなくKurashinnovation.で、一人一人に最適な、そして自然に家族のコミュニケーションが生まれる暮らしの革新を目指しています。

新たな暮らしの「+」領域という、暮らしの楽しさや、心の豊かさを生み出すプラン/空間を用意しています。
家族の在り方や、個人の人生観の多様化が進む中で、一人暮らし、2人暮らしというライフスタイルが、増加し、定着してきています。
年代や、将来もそうかということは別にして、全世帯の2/3が2人以下の世帯です。
特殊な暮らし方ではなく、もはや主流と言っても過言ではないでしょう。
しかし、そうしたライフスタイルの多くの方々は、仮住まいとしての賃貸集合住宅に住まわれています。
上下や左右の部屋の音の問題やペットの制約等、「生涯暮らす住まい」としては不充分な状態で、日々を過ごされています。
3人以上の家族を中心に考えるのが家というのも、もはや「不自然」です。
一人のライフスタイル、パートナーとの暮らしなど従前の価値観に縛られることなく、Kurashinnovation.Quality of Timeを創る視点と発想が必要だと思います。

「暮らし」×「イノベーション」は、突飛な発想ではなく「必然の発想」で考えますので、新たなライフスタイルを、お考えの方も、お気軽にご相談ください。

〈構法/工法の選択について〉
「異次元の快適性とデザイン」を求める方には、RC(鉄筋コンクリート)外断熱住宅をおすすめします。
また、「よりきめ細かなプラン/空間構成」を求める方には、木造プレウォール工法の住宅をおすすめします。
適切な工法の選択についてもお気軽にご相談ください。

株式会社ハウジングラボ
代表取締役 一級建築士 松尾俊朗

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