家を建てる時のベストな年齢は?後悔しない家を建てるタイミングとは

みなさん、住まいづくりはいつ頃から考え始めていますか?

実際、新築注文住宅を取得された方の最も多かった年齢は、30代の45.8%だという事が分かっています。

※「令和2年度 住宅市場動向調査 報告書」参照

この30代というのは、結婚後とりあえず賃貸で暮らして、子どもが1~2人出来て手狭になり、友人やママ友達も家を建て始めたし、小学生になるまでには家を建てて転校しなくても良いようにうちもそろそろ考え始めようか…といった方を多く見受けられます。

果たして、このように成り行きで必要に迫られて住宅を建てるというタイミングがベストなのでしょうか。

家はこれからの人生を共に歩む器

家づくりは、進路選択や就職、結婚や出産とも並ぶ、人生の中でもかなり大きなイベントの1つだと思います。
進路や就職、結婚や出産は、自身だけでなくパートナーや家族とこれからいかに充実した人生を送るのかを決める大切な岐路となり、たくさん悩み決断してきたと思います。

住宅も完成したら終わりではなく、これからの人生を共に歩む器なのです。
その器という住宅の選択1つでこれからの人生の内容が大きく左右されるのです。

この人生の一大イベントである住まいづくりという機会に、これからの人生をどのように楽しみ充実させたいのか考えてみませんか?

大まかなライフプラン中でベストタイミングを考える

思った通りにはいかないのが人生ですが、大まかなライフプランイメージを考えてみましょう。
結婚出産という人生を選択された場合、上記のように大きく3つの時期「新婚期(新婚)」「子育て期(家族)」「引退前後(老後)」に分けられます。
この3つの時期の中でも、多くの方が「子育て期」という仕事・家事・育児とばたばたしたタイミングでの住まいづくりをされているのが現状です。

住まいづくりというのは、かなりたくさんの事を考える必要があります。
一生で一回の買い物で分からないことだらけな上に、一番高価な商品なのです。
※参照記事「https://housing-labo.casa/wp-admin/post.php?post=850&action=edit

結果、仕事や家事で忙しい中、お子様がグズり夫婦イライラしながら、思うように住まいづくりの検討が出来ず「もうこれで良いか」と全てが中途半端に住まいづくりをしてしまい後悔したという方も少なくありません。
成り行きで必要に迫られて住宅を検討するではなく、まだ早いと思う今の段階から大まかなライフプランを考えた中でご自身にとってベストなタイミングでの住まいづくりを行う必要があるという事です。

とは言っても、子どもが何人出来るかも分からない。転勤になるかもしれない。と、未来が確定しない事で今家づくりをするのは不安とおっしゃられる方も少なくありません。
しかし、何年経っても確実な未来が訪れることはあり得ないのです。

つまり、ご夫婦2人で落ち着いて話合いながら検討出来る「今」が建て時なのではないでしょうか。

家賃という膨大な支出

「とりあえず、賃貸で暮らしてみてから…」
「とりあえず、子どもが出来てから…」
「とりあえず、子どもが小学生になるまでには…」

とりあえず…とりあえず…

と、先延ばしにしている間に月日は流れ、資産にならない無駄な家賃を支払い続け、総支払額が膨大になるケースは少なくありません。

例えば…

家賃 7万円 + 駐車場 1万円 + その他「敷金・礼金、引越し費用」etc…
だった場合、5年住めば、なんと!約500万円にも及びます。
「約1000万円支払っていた!」という方も少なくありません。

■「とりあえず、子どもが小学生になるまでには…」と、賃貸に7年住んだうえで建てたパターン

■ご夫婦2人で落ち着いて話合いながら検討出来る「今」建てたパターン

総額で同じ金額をかけるにしても、500万円もの差があれば、住宅設備をグレードアップしたり、面積を大きくしたりとかなり幅広い対応が出来、より満足のいくマイホームに仕上げる事が出来ます。

根拠なく何となく「とりあえず…とりあえず…」と、先延ばしにしては見たけど、5年前に建てていても今建てても、住宅に対する知識が5年間で得られる訳でもありませんし、特に何も変わらないのであれば、早く建てるに越したことはありません。

マイホームで人生の全ステージを最大限に満喫する

■新婚期(新婚)・・・趣味や楽しみを取り入れながら貴重なご夫婦お2人の新婚期を満喫する。

■子育て期(家族)・・・赤ちゃんにとって重要な空気環境/温熱環境で、コミュニケーションが取りやすく子育てのしやすい住宅で家族の時間を満喫する。

※参照記事「https://housing-labo.casa/category/plan-design/post-676/

■引退前後(老後)・・・平均寿命だけでなく、健康寿命を延ばす長期に持続する住宅性能で老後の趣味を満喫する。

※参照記事「https://housing-labo.casa/category/plan-design/post-691/

まとめ

思いもしない事で溢れ、描いたライフプラン通りには進むことは少ない世の中ですが、成り行きに任せた住まいづくりは危険です。
大まかなライフプランをイメージした中で、ご自身のご家族にとってベストなタイミングで住まいづくりをすることはとても大切なことです。

また、同じ金額をかけるのであれば、家賃という資産にならない支出をするのではなく、マイホームへの投資額に回せる「今」建てるに越したことはありません。
1年でも1日でも長く楽しい暮らしが出来るマイホームで幸せな人生を過ごしていただけることを祈っています。

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香

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