”ペット”と暮らす上で最適な家とは
2022/02/07

「コロナ禍での飼育放棄」や「マイクロチップ装着義務化」など、ペット関連のニュースが連日世間を騒がせています。
ペットを人間同様可愛がっておられる方々からすると少し辛い話題です。
そんな、大切なペット(家族)と楽しく暮らすための最適な家づくりをご紹介します。
ペットと暮らす上で大切なポイント




※一般社団法人 ペットフード協会 『全国犬猫飼育実態調査 結果』より
様々なニュースが話題にはなっていますが、ペットブームであることには変わりありません。
2020年は、犬猫だけでも日本の人口の6.96人に1人の方が飼育されていることが分かります。
他にも、鳥やハムスター、トカゲなど様々なペットを飼育されている方も多いので、それぞれのペットによって大切なポイントを考えてみましょう。
1.ペットの習性

住まいづくりをする上で、ペット(特に犬と猫)の習性を理解した上で進めましょう。
ワンちゃん
■元気に走り回る

床の素材は、滑りにくく傷が付きにくい素材を選択しましょう。
特に小型犬は、滑りやすい素材で足腰を痛める危険性があります。
■落ち着く居場所

狭い空間を好んだり、お気に入りのおもちゃを集める居場所を作ってあげましょう。
猫ちゃん
■好奇心

ジャンプしたり探索好きの猫ちゃんには、引っかきに強い素材や衝撃音を防ぐカーペット敷やペットドアを付けてあげましょう。
■居場所

猫ちゃんが好むのは、「高いところ」「狭いところ」「温かいところ」です。
しっかり、居場所を作ってあげましょう。
2.ペットとの暮らし

ペットと楽しく暮らすために、事前に検討しておくべきことをお伝えします。
共存範囲

寝室やキッチンなど、どこまでペットの侵入を可能とするのかや家族以外の方のペットが苦手な来客があった際の間仕切り対応など、ペットとどこまで一緒に過ごしたいのかを検討しましょう。
留守対応

ペットを家に残して留守にする頻度によって、体調やいたずらを確認出来るようペットカメラの設置などがひつようかどうか検討しましょう。
清潔性


ペットはどうしても臭いが気になる事があります。
シャワーの頻度やシャワーの仕方、トイレシートや排泄物の処理方法などを検討しましょう。
消臭機能のある壁の素材などを採用するのもおすすめです。
ごはん


ペットのごはんもかなり種類が豊富になっています。
「どのようなごはんがどれほどの量あるのか」「調理必要な物もあるのか」「留守中のごはん対応はどうするのか」で、収納量/ごはんの臭い対策/収納位置/自動餌やり機などを検討しましょう。
散歩

「ワンちゃんの足を洗う外流しが必要かお湯も出る必要があるのか」「濡れた足をふき取るタオルなどの収納は必要か」「糞を取る袋やリードの収納はどれほど必要か」「夜に行く場合は懐中電灯なども必要か」など散歩に行くうえでどういったことが考えられ、それに必要な設備や収納を取り入れましょう。
水槽や籠に入って過ごすペット


水槽や籠に入って過ごす ペットは、犬や猫と違って人と共存というよりは、目から入る癒しを与えてくれる存在であることが多いと思います。
その為、ただ水槽や籠が置けたら良いという事ではなく、どこでどのように見えるところに水槽や籠を置きたいのかご家族にとって最大級に楽しめるよう配置を検討することが大切です。
合わせて、餌やりや水替えなどの掃除のしやすさも考えておきます。
また、水槽や籠に入って過ごすペットたちは、暑くても自ら移動することが出来ませんので、直射日光などが当たらない場所への配置にも考慮しましょう。
まとめ
ペットを飼っている方の中には、「ペットのための家づくり」とおっしゃられる方もいらっしゃいます。
もちろんペットにとって暮らしやすい家づくりであるべきだと思いますが、忘れてはいけないのは、「人にとって快適で楽しい住まい」且つ「ご家族がペットとどのように過ごしたいのか(癒されたいのか)」を考えることを忘れないでください。
「ペットと暮らす家」というテーマで、ペットの習性や暮らし方に合わせた検討事項を記しましたが、動物の種類によって特殊な対策も出てくると思いますので、あくまでも一例として参考にしていただければ幸いです。
《執筆者》
一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香