こんな住宅会社は危険!?良い住宅会社の選び方

昭和から令和にかけ、世の中は急速に成長しました。

昭和」には一家に一台しかなかった「固定電話」が、「平成」に入り一人一台の「携帯電話」が誕生し、「令和」の今は「スマートフォン」のアプリを使って一人一人で自由に自分好みの仕様にカスタマイズ出来るのが当たり前の時代となりました。

その時代の変化と共に住宅に求められる事も変化してきました。

戦後、住宅不足でとにかく「」が求められていた「昭和」。
ある程度量が充足し安心安全や快適さなどの「」が求められていた「平成」。
令和」である現在は、量でも質でもなく多様な「価値観」に対応した住宅が求められています。

そのため、住まいづくりの仕方も多様な価値観に対応できるカタチに進化させる必要があるのです。

ここでは、この「多様な価値観に対応するための住まいづくり」という基準で良い住宅会社とそうでない住宅会社の例をあげていきたいと思います。

良い住宅会社の見分け方

「多様な価値観に対応するための住まいづくり」という基準というのは、良い住宅性能や利便性の高い住宅が手に入るというのは当然として、その住宅性能を活用して如何にご自身が生涯幸せに過ごせる間取りに出来るのかということや、如何にご自身にフィットした利便性に出来るのかということで判断していきます。

何のための広いリビングか

あなたが「リビングは広くしたいです」と言った時の、対応で良い住宅会社を見極めます。

×「何帖くらい必要ですか?」

筆者は、学生時代の下宿も含めこれまでに5回引っ越しをし6つの住宅に住んだことがあります。

また、建築学科のある大学で4年間建築を学び、住宅会社に5年間所属し、更に5年間全国の住宅会社向けコンサルタントをしており現在に至りますが、約14年建築や住宅に携わってきた私自身、リビングは広くしたいとは思っていますが、自身に合った帖数を問われると言葉に詰まります。

住宅というのは、全ての方が毎日暮らしている場所です。

今の家のリビングよりも広くといった現在の家との比較で面積を割り出すことは可能かもしれませんが、新しい家になると、テレビの大きさや収納の場所、窓や吹き抜けによる視覚的広さ感など、全てが異なりますので、単純な帖数で片付けられるような問題ではありません。

建てた後であまりにも大きなテレビを購入したことで狭く感じてしまったり、窓や吹き抜けによる視覚的広さ感がプラスされたことで広すぎて家族との会話が減ってしまった。などの後悔に繋がり兼ねません。

「何帖くらい必要ですか?」と問う住宅会社は、こういったお客様の将来について親身になって考えている住宅会社であると言えるのでしょうか。

〇「広くしたリビングではどんなコトをしますか?」

「広いリビング」のサイズは8帖の方もいれば12帖の方もいて人によって異なります。
また、どんなコトをするのかによって、必要面積は異なります。

・子どもと一緒にプラレールで毎日新しいコースを作る。
・ヨギボーのビーズクッションを買って家族4人でゴロゴロくつろげるようにする。
・週末は友人2家族を招いて12人で食事を楽しむ。
・憧れのプロジェクターとスピーカーで映画館気分を味わう。

先に帖数を決めて、そこにご自身の暮らしを合わせるのではなく、ご自身の暮らしに合った帖数にするのが正しい住まいづくりの方法です。

この、ご自身にとってフィットしたサイズや形状を一緒に求めようとしてくれる住宅会社は良い住宅会社であると言えるでしょう。

各家庭ごとに異なる家事の法律

長くお客様の住まいづくりに携わっていると、「他の方はどうしているのか」「一般的にはどうなのか」を問われることがあります。

日本人は、平均や中間を好む性質があり、「普通」にしたがります。

しかし、ご家庭の中に足を踏み入れてみますと、三者三様で1件として同じ暮らし方をしているご家庭は有りません。
夫婦間ですら洗濯物の畳み方が異なる訳ですから、特に家事の仕方は、面白いほどに異なります。

したがって、「普通」に合わせるということは、家事がしにくくなるということです。

住宅展示場やモデル住宅を見学していると、様々なアイディアが盛り込まれ、とても便利で魅力的に映ると思います。

そんな家事動線見学時の、住宅会社のご案内方法で見極めます。

×「とても便利な家事動線ですよ!」

各家庭様々な家事の仕方がある一方で、ただただ、自社の展示場やモデルをご案内して説明するだけの住宅会社で良いでしょうか。

〇「この家事動線を実際に体感してよりフィットした形にカスタマイズしましょう!」

最新のアイディアや機能は是非取り入れるべきだと思いますが、ご自身にフィットしたカタチで採用しない限り宝の持ち腐れです。

展示場やモデルの最新の家事動線をベースに、ご自身によりフィットした家事動線を一緒に作り上げようとしてくれる住宅会社は良い住宅会社だと言えるでしょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

あなたが、一生懸命働いた資金で建てる住宅です。
簡単に一般論を押し付けてきたり、自社の間取りの自慢をしてくる住宅会社にあなたのご家族の一生を任せられるでしょうか。

無駄な空間や設備を取り入れることも無く、反対に不足するようなことも無いよう、しっかりと寄り添いご自身にフィットしたカタチを共に導き出してくれる住宅会社を見つけ出しましょう。

もちろん、当研究所もご活用ください。
info@housing-labo.casa

《執筆者》

一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香

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