家事ラク住宅は、真似しても手に入らない。

InstagramやYouTubeを見ると、「家事ラク間取り」や「人気の回遊動線」といった住まいを目にする機会が増えました。

「この間取りなら家事がラクになりそう。」
「この収納をそのまま取り入れたい。」

そう思われる方も多いのではないでしょうか。

もちろん、それらは多くの方にとって使いやすく考えられた優れた間取りです。
しかし、本当にその間取りは、あなたの家族にとっても家事がラクになるのでしょうか。

実は、家事ラク住宅は人気の間取りを真似するだけでは手に入りません。

家事ラクとは「家事を減らす」ことではない

現在、日本における共働き世帯の割合は、6割を超えると言われています。

では、どのすれば家事がラクな家になるのか考えてみましょう。

以前、「名もなき家事」というのが話題になりましたが、そんな名もなき家事も含めた、共働き夫婦の家事の時間は、男性が12分/日で女性が207分(3.45時間)/日ということも分かっています。

※参照(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/17/backdata/3-2-13.html

家事の負担は以前より夫婦で分担されるようになりましたが、依然として女性が担う割合は大きく、忙しい毎日を送るご家庭も少なくありません。
だからこそ、多くの方が「家事ラク住宅」を求めています。

しかし、家事ラクとは単に家事を減らすことではありません。
料理、洗濯、掃除、片付け。
それぞれの動きをスムーズにし、家事に追われる時間を減らすことで、家族との時間や自分自身の時間を増やすこと。

それが、本当の意味での家事ラク住宅だと私たちは考えています。

人気の間取りが、あなたに合うとは限らない

SNSで人気の間取りには、

  • 回遊動線
  • ファミリークローゼット
  • ランドリールーム
  • シューズクローク
  • パントリー

などがあります。

もちろん、どれも便利な空間です。
しかし、大切なのは「あること」ではありません。

「どのように使うか」です。

例えば、
洗濯は朝する家庭もあれば、夜する家庭もあります。
料理が好きな方もいれば、できるだけ時短したい方もいます。
買い物は毎日行く方もいれば、週末にまとめ買いする方もいます。
暮らし方が違えば、使いやすい収納や動線も変わります。

だからこそ、「人気だから」ではなく、「わが家に合っているか」を考えることが大切です。

家事ラク住宅は、暮らしを知ることから始まる

オーダースーツを採寸せずにつくる人はいません。
注文住宅も同じです。
本当に暮らしやすい住まいをつくるためには、まずご家族の暮らしを知る必要があります。

例えば、
朝は誰が一番早く起きるのか。
お弁当は毎日つくるのか。
洗濯はいつするのか。
帰宅後、どんな順番で家事をしているのか。
休日はどのように過ごしているのか。

さらに、

家の中にどれくらいの荷物があるのか。
どこに収納したいのか。
どんなことにストレスを感じているのか。

こうした日々の暮らしを丁寧に理解して初めて、その家族だけの家事ラク住宅が見えてきます。

展示場は「答え」ではなく「ヒント」

住宅展示場やモデルハウスは、多くの人が暮らしやすいように考えられています。
だからこそ、参考になるポイントはたくさんあります。
しかし、それをそのまま採用するだけでは、本当の注文住宅とは言えません。

モデルハウスはあくまでも「ヒント」。

実際に歩いてみて、
「この収納は使いやすそう。」
「この動線はわが家には必要ないかもしれない。」
そんな気づきを得る場所です。

そこから、自分たちの暮らしに合わせて調整していくことが、本当の注文住宅です。

家電も含めて暮らしを設計する

IT業界や家電業界は日々もの凄いスピードで進化し続けています。

最近では、ロボット掃除機や食器洗い乾燥機、洗濯乾燥機、自動調理家電など、家事を助けてくれる製品が数多くあります。
こうした家電を活用することで、家事の負担は大きく変わります。

だからこそ、住まいづくりでは住宅だけを考えるのではなく、
どんな家電を使いたいのか。
どこで使うのか。
どこに収納するのか。
そこまで考えておくことが大切です。

住宅と家電を別々に考えるのではなく、暮らし全体を設計することで、より快適な住まいになります。

まとめ

家事ラク住宅とは、
収納が多い家でも、
人気の間取りでも、
SNSで話題の家でもありません。

家族それぞれの暮らし方や価値観を理解した結果、生まれる住まいです。

だからこそ、家事ラク住宅は真似してつくるものではありません。
ご家族だけの暮らしを見つめ、その暮らしに合わせて設計することで、本当に使いやすい住まいが生まれます。

Casa Laboでは、間取りを考える前に、ご家族の一日の過ごし方や暮らし方を丁寧にお聞きしています。
家事ラク住宅とは、家事を頑張らなくても自然と片付き、自然と動ける住まい。
その答えは、人気の間取りではなく、あなたの暮らしの中にあります。

新着記事

老後を見据えた最適な住まいづくりとは

近年、「老後のことを考えて平屋にしたい」というご相談をいただく機会が増えています。 実際に、国土交通省の令和6年度住宅市場動向調査では、新築注文住宅を取得した方のうち**30代が42.1%**と最も多く、住まいづくりの中 […]

建築費はどうなる?

だからこそ「諦めない設計」が住まいづくりを変える 住宅価格が高くなった。 ここ数年、住まいづくりを検討されている多くの方が実感されていることではないでしょうか。 コロナ禍以降、世界中で建築資材の需要が急激に高まり、木材や […]

ローコスト住宅は、なぜ安いの?「安さの理由」を知れば、住宅会社選びが変わる

「ローコスト住宅って、本当に大丈夫なの?」住宅を検討し始めると、一度はそんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。 同じ30~40坪程度の住宅でも、2,000万円台の住宅もあれば、4,000万円を超える住宅もあります。 […]

終の棲家ではなく、人生で一番自由な時間を楽しむための住まい

「もう子どもも独立したし、終の棲家だから小さな家で十分です。」 住まいづくりをご相談いただく中で、このようなお話を伺うことがあります。確かに、子ども部屋は必要なくなり、住まう人数も減ります。だから家はコンパクトになっても […]

自然の光が、暮らしの質を変える

家は、雨風をしのぐためだけの箱ではありません。 朝日で目覚め、心地よい風が通り抜け、窓の向こうに四季の緑を感じる。そんな何気ない毎日の積み重ねが、住まう人の気持ちを穏やかにし、暮らしを豊かにしてくれます。 だからこそ私た […]

孤立しない「オンラインルーム」と落ち着く「書斎」

書斎は本当に個室が正解?暮らしに合わせて考えるワークスペース ここ数年で、住まいに求められる役割は大きく変わりました。 在宅勤務をする人が増え、自宅でオンライン会議をしたり、パソコンで仕事をしたりすることは、今では特別な […]