最新のリビングとは~現代の日本人に合ったリビングのつくり方~
2022/03/28
LDKという考え方が日本に出来てから今年でちょうど70年を迎えます。
昭和のLDKは、「ダイニング/キッチン」と「リビング」は間仕切られ、リビングでくつろぐご主人様とキッチンで料理をしている奥様と子供部屋にいるお子様…と、家族が分断されてしまうような間取りでした。
平成に入ると性能面も向上し、LDK一体の大空間に変わりリビング階段なども採用され、家族のコミュニケーションが取りやすいひとつながりに変化しました。
では、令和のLDKはどのように変化するのでしょうか。
リアルな日常~リビングでの過ごし方~
昨日の夜、夕食や後片付けが終わった後、リビングでどのように過ごしていましたか?
もしくは、お子様の寝かし付けなどの用事が終わった後、リビングでどのように過ごされましたか?
その時、「あなた以外のご家族は」「どこで」「どんなコト」をしていましたか?
ほとんどの方がウィークデーの夜は、「リビングに寝転がってスマホをいじりながらテレビを見ていた」なんて答えるのではないでしょうか?
中には、「読書をしていた」や「ヨガやストレッチをしていた」なんて方もいらっしゃるかもしれません。
では、休日の昼間、おうちで過ごされている時はいかがでしょうか?
これもまた、平日の夜と大きくは変わらず「リビングに寝転がってスマホをいじりながら映画を見ていた」なんて、テレビが映画に変わった程度ではないでしょうか?
中には、「お子様とテレビゲームをしていた」や「友人が来てお茶をしていた」という方もいるでしょう。
どちらにしてもリビングは、家族や親戚、気の知れた友人しか使うことが無いという方がほとんどで、くつろぎ感を重視した空間づくりが求められます。
スマートフォンがもたらした家族の時間
昭和の時代は、家にある固定電話しか連絡手段がなく、プライバシーを確保するためには個人の部屋に移動して通話するしか方法はありませんでした。
しかし、平成以降、個人の携帯電話/スマートフォンが普及し、誰とでもいつでも気軽に連絡が取れるため、親が隣にいても恋人や友人と自由に連絡を取ることが出来るようになり、リビングで家族と過ごす時間が増えました。
スマートフォンがもたらした家族の時間は、ただリビングという場が存在すれば良いのではなく、家族とコミュニケーションを取ることが出来るだけでもなく、長い時間家族で一緒に過ごすためのくつろぎ感をいかに確保するかがとても大切なポイントになります。
つまり、スマートフォンは、リビングの在り方すらも変えてしまったのです。
昭和 : 家族が集まることが出来るリビングという場の確保
平成 : 家族がコミュニケーションを取ることが出来る大空間
令和 : 家族で長時間過ごすためのくつろぎ空間
一般論から個別具体論へ
ただ家族が集まることが出来るリビングという場を確保したり、コミュニケーションを取ることが出来る大空間を作るということであれば、一般論で当てはまる空間づくりで問題無いかもしれません。
しかし、ここに「くつろぎ感」という個人によって差が生じる「感覚を満たす空間づくり」というと一般論で当てはまる空間づくりでは対応出来兼ねるのです。
【体勢】
【過ごし方】
つまり、「それぞれが理想とする体勢」や「それぞれの過ごし方」に合ったリビングが本当にくつろげるリビングなのではないでしょうか。
固定概念を取り払う
リビングを考える際、当たり前のように、3人掛けくらいのソファーを置いて…と考えていませんか?
実際ご自身のソファーの使い方を思い返してみると、ソファーに寝転がったり背もたれにしていて、ちゃんと腰かけてくつろぐことは少ないのではないでしょうか?
また、3人掛けのソファーでも大人1人が寝転がると、他の人は使えなくなっていませんか?
リビング=ソファーという固定概念に縛られるのではなく、家族全員がくつろぐことの出来るリビングにするために、ご自身のご家族それぞれが求めるくつろげる体制や過ごし方を考え、それが叶う「究極のくつろげるリビング」を考えてみましょう。
クッションを敷き詰めたリビング
「人をダメにするソファー」で人気の体を包み込むようなビーズクッションを人数分置いたリビング
ハンモックでくつろぐリビング
向かい合って会話が楽しめるリビング
ヨガやストレッチがいつでも出来る何も置いていないリビング
1人1人異なるくつろぎ感に合った自分専用のソファーを家族の人数分配置したリビング
まとめ
「最新のリビング~現代の日本人に合ったリビングのつくり方~」の解答は、実は全てあなたの中にあります。
仰向け/うつ伏せ/横向き…と、それぞれ好みの寝る体制があるように、ご自身がどのような体勢が落ち着くのか、リビングではどのような過ごし方をしているのかによってご自身にとってのくつろげるリビングというのは異なるのです。
まずは、あなたのご家族にとってのくつろぎ感を一緒に探してくれる住宅会社のパートナーを見つけましょう。
そして、究極にくつろげるリビングを作り出してください。
もちろん当研究所も、共に究極のリビングづくりのサポートを行いますので、ご希望の方はご相談ください。
《執筆者》
一般社団法人 住宅研究所
「暮らし視点の住まいづくり」研究開発担当
主任 谷口真帆香